有限会社冨士元鍍金工業所様
次世代のための相続と事業継承
複雑で難解な相続の課題をMIKATAのコンサルタントと二人三脚で解決
MIKATAグループのサービスをご導入いただいているお客様の声をご紹介します。
1962年創業の有限会社冨士元鍍金工業所様は、静岡県浜松市に本社をかまえる電気メッキ・彫刻・表面処理業を営む企業です。
「電気メッキ事業を通じて、ものづくりの文化を将来に伝える」ことを理念とする冨士元鍍金工業所は、直近の15年で図らずも二度の事業継承を経験し、その際に生じたさまざまな課題の解消にMIKATAのサービスをご利用いただいています。
本記事では、同社代表取締役である松本佳也様、および前社長のご息女である松本有香様に、当時の状況とMIKATAが果たした役割についてお話をいただきました。
有限会社冨士元鍍金工業所様
事業 | 自動車・二輪・楽器・家電各部品等の銅・ニッケル・クローム亜鉛の各種メッキ加工 |
設立 | 1962年4月 |
従業員数 | 42人 |
ご活用いただいている
MIKATAグループのサービス
- 業務支援コンサルティング
(月次・年次の税務会計報告・BPO) - 事業承継コンサルティング
(ホールディングス化などの成長戦略・株価対策支援)
導入のきっかけ・背景
ものづくりの文化を次世代に伝えるために
MIKATAと共に新たなチャレンジを続ける冨士元鍍金工業所
―冨士元鍍金工業所様の事業や成り立ちについてお教えください。
松本佳也社長(以下、松本社長):
冨士元鍍金工業所は、私の祖父が仲間と共に立ち上げた会社が元となっています。そこから独立して、今の冨士元鍍金工業所が設立されました。独立後は父が、続いて叔父が社長を継ぎました。つまり、祖父の代から数えると私が4代目となります。創業初期は主にピアノをはじめとする楽器類や二輪の部品などの表面加工処理を生業にしていました。近年は、四輪部品の加工などにも手を広げています。
―直近で計画していることなどがあればお教えください。
松本社長:
今は、会社も、そしてメッキ産業も、世代交代の時期となっています。ですから、次世代に向けた若い人材の育成をしていく必要があります。実は最近、弊社は若い世代が大量に入社して、一気に若返りました。今は、社員の約1/3が20歳代となっています。今後は、MIKATAさんのアドバイスをいただきながら、若い世代が働きやすい環境づくりの計画を練っているところです。
突然降りかかった相続税の問題
窮地を救った「納税猶予」の提案
―MIKATAとの出会いについてお教えください。
松本社長:
創業当時からお付き合いだった税理士さんが、MIKATAさんの傘下に入ったことがきっかけです。それから間もなく私の父が亡くなり相続の問題が発生しました。相続税は現金一括納付が基本なのですが、私も父も相続の準備は何もしていなかったので、期限までに納付額を用意するのは難しい状況でした。そこでMIKATAの担当者さんに相談したところ、「納税猶予」という手段があることを教えていただき、その手続きを進めていただきました。あの時、MIKATAさんがいなかったらと思うと、心底ゾッとします。
―納税猶予の他に、MIKATAがお手伝いした案件があればお教えください。
松本社長:
納税猶予の他は叔父が所有する株式の相続対策を継続してお願いしました。株の相続には、いろいろな手続きが必要ですが、具体的に何をすればいいかがまったくわかりませんでした。株の評価額も創業当時と比べるとかなり上がっているので、扱いを間違えると大変なことになります。ここは、MIKATAさんのアドバイスをいただきながら、なんとか処理したという感じです。
―その後、株に関して、また新たな問題が発覚したと伺っていますが、それはどのようなものでしょう?
松本社長:
父が亡くなった後、私と叔父の中では社外にある持株の存在が大きな懸念となっていました。創業時には協力者や身内に株の所有を依頼することがあります。形式的な株主は株主名簿を見ればわかりますが、実質的に金銭を出資した株主は、創業時を知っている亡くなった私の父か叔父にしかわかりません。
一度、株の相続で大変な思いをした身としては、次世代が継承する際の問題とならないように、持株を社内に戻したいと考えていました。ただ、具体的にどうすればいいのかはわからず、銀行の担当者さんに相談しても「解決は難しい」と言われて途方にくれていたんです。そこで、すがるような気持ちで、MIKATAさんに相談したところ、親身に解決策を考えてくださいました。叔父の記憶をたよりに、実質的に誰が株を持っているか洗い出して、その方々に株を会社に戻していただけないかと、お願いをしてまわったんです。簡単にはいかないだろうとは思っていましたが、一緒に足を運んでいただいたMIKATAさんが、専門家目線でくわしく説明していただいたので、想像よりもかなり綺麗に持株問題が解消されました。それから、3ヶ月経った今年の春に叔父がなくなりました。今にして思えば、この問題の解消は、叔父が最後に成し遂げた大仕事でした。
業務支援のご感想と効果
全面的な信頼を寄せるMIKATAと共に将来に向けた手取りの最大化を目指す
―MIKATAが提供しているサービスついて、どのように感じていますか?
松本社長:
私の父も、先代の叔父も、「本業で頑張って稼ぎ支払うものは支払う」という考え方で、節税や資産の運用については興味を持っていませんでした。私も最初は同じでしたが、二度の承継を経験して、MIKATAさんが語る「手取りの最大化」について前向きに考えるようになりました。
相続にかかる税金は莫大です。何もしなければ、相続するごとに会社の資産はやせ細ってしまう。それでは、社員のためにもお客様のためにもなりません。きちんと節税をして、手取りを最大化して、それを会社や社員の未来に対して投資する。MIKATAさんからは、そのためのアドバイスをたくさんいただいています。
―MIKATAとのお付き合いの中で、ここがよかったと感じた点はございますか?
松本社長:
たとえば銀行さんだと、何年か経つと担当者の方が変わってしまうことが多いんです。会社組織である以上、それは仕方がないのですが、ただやはり「あの時のこの件」という認識の共有は重要だと思うんです。MIKATAの担当者さんとは私がゼロ出発した時からのお付き合いなので、その点の安心感は強くあります。また、MIKATAさんには、いろいろな分野の専門家がいらっしゃるので、税務財務にかかわらず、いろいろなことが相談できる点も助かっています。
―続いて松本家側の相続について対応した有香様に伺います。今回の相続において印象に残ったエピソードがあればお教えください。
松本有香様(以下、有香様):
今回の相続では、いろいろな方からアドバイスをいただきましたが、その中でもっとも親身で信頼できると感じたのがMIKATAさんでした。特に助かったのは、家族に説明するための書面を作成いただいたことです。相続には一族全員が関わるので、私だけが理解できても駄目なんです。相続の専門知識をもたない私が、同じように知識を持たない家族に、わかるように説明するのは難しい。ですが、MIKATAさんが作成した書面は本当にわかりやすかったので、家族全員が納得して相続を進めることができました。
将来の展望・メッセージ
次の世代によりよい資産を承継するために末永くMIKATAのサポートを希望
―今後の展望についてお考えをお聞かせください。
有香様:
実は、まだ父が存命だった頃に私の次男が「会社を継ぐ」ことを約束していたそうなんです。最初に言い出した頃は小さな子どもだったので、彼もそれほど深くは考えていなかったと思います。ですが、父の働く姿を見ているうちに、本気でそう思うようになったそうです。これは、展望というよりも希望なのですが、いつかは、会社を継いで父との約束を果たして欲しいと願っています。
松本社長:
会社としては、まずは事業を発展させること、そして従業員やお客様を守っていくこと、ここが第一です。それに加えて、次世代に向けた取り組みも進めていかなければならないと考えています。先ほど甥の話がありましたが、私は彼が事業を継ぐのは大賛成です。私の息子に継いでもらいたい気持ちもありますが、まだ中学生なので。まずは甥に継いでもらって、いずれは息子が継承するか、もしくは新しい会社を作ってお互いに切磋琢磨していくか。そんな未来が訪れると嬉しいですね。会社も若い社員が増えました。彼ら、次世代が活躍していくため、今後は変革や投資が必要になってくることでしょう。そこにはMIKATAさんの協力が不可欠です。ですからこれからも、ジャンルを問わずいろんな相談に乗ってもらえると助かります。
有香様:
松本家としましては、まだ二次相続の問題が残っています。そして、いずれは、私たちの代から子どもたちへの相続も考えなければなりません。今回、実際に相続を体験して、その大変さを痛感しました。子どもたちに同じような苦労はさせたくありません。ですから、今のうちに少しずつ準備を進めていくつもりです。大変ではありますが、MIKATAさんに相談すれば大抵のことはなんとかなると思っているので、安心しています。今後も、私たちの代だけではなく子どもたちの代まで、末長いお付き合いを期待しています。
MIKATAグループ担当コンサルタントより
小原
私は、冨士元鍍金工業所様を担当して、今年(2022年)で13年になります。松本社長からは、いろいろなご相談をいただき、その度に、会社に対する思いを感じ取りました。
冨士元鍍金工業所様は、本当にまじめで堅実な企業だと感じています。同時に、有香様をはじめとして、松本家の皆さんは、非常に仲が良くて明るくて、話をしているうちにこちらも楽しくなってくる、素敵な方々だと思っています。そんなみなさんには是非とも幸せになっていただきたい。そのために、今後もMIKATAの力を結集して全力のサポートをしていくつもりです。