有限会社くぼたファーマシー(あおい調剤薬局) 様
地域医療を支える調剤薬局のM&A
前例がなかった新たなチャレンジをミカタが全力サポート
高齢化と過疎化が進む地域では、次の医療を担う人材の不足が社会問題となりつつあります。
新潟県上越市で調剤薬局「あおい調剤薬局」を営む有限会社くぼたファーマシーは、2023年2月に、同じ上越市で後継者問題を抱えていた調剤薬局のM&Aを実施しました。
本記事では、地域医療を支えるために新たなチャレンジを決断した、同社 代表取締役 窪田謙一氏に、M&Aに至った経緯と、それを支えたミカタのサービスについてお話を伺いました。
有限会社くぼたファーマシー(あおい調剤薬局) 様
設立 | 2000年(平成12年)7月 |
所在地 | 新潟県上越市北城町四丁目6番5号 |
事業 | 調剤薬局事業 くぼたファーマシーあおい調剤薬局様は1200種類を超える様々な医薬品の在庫を 取り揃えた薬局。薬局近くの医療機関のみならず多くの医科が出します処方せんに対応が可能。 |
ご活用いただいている
MIKATAグループのサービス
業務支援コンサルティング(月次・年次の税務会計報告)
導入のきっかけ・背景
後継者問題を抱える調剤薬局からの相談
地域医療への貢献のためM&Aを決心
くぼたファーマシー様の事業内容についてお教えください。
窪田様:
私たちが経営する「あおい調剤薬局」は、ここ上越市で2000年9月に開業しました。開業当時から今まで、ずっと家族で経営を続けてきた、地域密着型の調剤薬局です。
ミカタグループと関わったきっかけをお教えください。
窪田様:
もともとは地元の税理士事務所さんに、税務や会計に関する処理を依頼していました。その事務所は、私の父親が経営していた会社でもお世話になっていたうえ、私の薬局と同じ敷地内にあったので、付き合いは古かったんです。その地元の税理士事務所がミカタさんと一緒になったので、そのまま引き続き業務をお願いしています。
母体がミカタになってから印象が変わったことなどはありますか?
窪田様:
ミカタさんになってから、会社だけではなく、家族についても気にかけていただけるようになりました。私の会社は家族経営なので、会社と家族をあわせて考えると節税効果が高いそうなんです。その点について、家族の保険とか、役員報酬の配分とか、ずいぶんと細かくアドバイスをいただけるようになりました。
今回、他の調剤薬局をM&Aするに至った経緯をお教えください。
窪田様:
今般、M&Aの相手方となった薬局の方とは、ずっと以前から知り合いでした。私よりも年齢的に先輩だったので「何かあったら頼んだよ」というような話をずっといただいていたんです。その時は私も、あまり深く考えずに「わかりました」と答えていたんのですが、2022年の5月になってその方から「来年の3月で引退するつもりだけど、後を継ぐ気があるか?」と問われたんです。
私個人の思いとしては、「これはビジネスチャンスだ」と前向きに捉えていました。また、地域の医療を支えるためにも、既存の調剤薬局をなくしてはならないという思いもありました。ただ、なにしろ初めてのことなので、M&Aをすると言っても具体的に何をどうすればいいかなんてわかりません。自分一人で決められるものではなかったので、その時はとにかく誰かに相談したいと思っていました。
まずは家族に相談したんですが、反応は前向きでした。そして、専門家の意見も聞きたいと思って、月次報告のタイミングでミカタのご担当者さんに声をかけたんです。すると、ミカタさんにはM&Aを対応する部署もあることを教えていただき、後日あらためてお時間をいただいていろいろ相談させていただきました。
業務支援のご感想と効果
様々な専門部署を持つミカタならではの手厚いサポート
初体験のM&Aがスムーズに完了
M&Aについて、ミカタに相談した感想をお教えください。
窪田様:
最初は私自身、M&Aに対してかなり前向きな気持ちだったんですが、ミカタさんから、かかる手間や費用の目算を教えていただいて、「こんなに手間もお金もかかるのか」と、一旦は不安になりました。ただ、補助金が使えるので資金の目処はつきそうだったこと、そして手続きに関してはミカタさんが全面的にサポートしてくださるとのお言葉をいただいたので、あらためてチャレンジしようという気持ちが湧いてきました。
M&Aはどのような手順で進みましたか。
窪田様:
補助金の申請スケジュールがかなりタイトだったので、そのスケジュールを意識しながら進めました。資金調達の必要性から金融機関との調整が重要な課題だったんですが、資料も全部揃えていただき、面談でも先導して交渉頂いたので、非常に心強かったです。おかげで最初に面談した段階で、かなりいいお返事をいただけて、「これはいけそう」だと感じました。
M&Aの相手先が契約していた顧問税理士さんとの調整や、店舗の賃貸借契約など、いろいろと複雑な手続きもあったのですが、それらのほとんどをミカタさんが能動的に動いて適宜サポートしてくれたので、そこはかなり助かりました。
正直な話、税理士法人さんがM&Aについて、ここまで対応してくれるとは思っていませんでした。ミカタさんは、お付き合いも長く、うちの内情もすべてご理解いただいているので、思っていた以上に物事がスムーズに進んだと感じています。
その後、新しい店舗を切り盛りする薬剤師さんの採用や開局届けなどの手続きを行い、2023年2月1日に、正式に事業譲渡が完了しました。
ミカタの対応について、率直な印象をお教えください。
窪田様:
とにかく対応が正確でスピーディです。何かお願いしたら、すぐに応じてくれるので本当に助かっています。場所が近いこともあって、相談したらすぐにきてくれますし、私が急に伺ってもしっかりと対応してくださいます。会社のことはもちろんですが、家族の生活についても、常に気を配ってくださっています。今では、まさに、会社の経営と家族の人生、両方のミカタになってくださっています。
将来の展望・メッセージ
今後の展開についてお考えがあればお教えください。
窪田様:
とりあえずM&Aについては終わりましたが、実際大変なのはこれからです。これまで1店舗だけだったのが2店舗になるので、単純計算では何もかもが2倍になります。ですから、まずはこれら2店舗の安定経営を図っていきたいです。そして、軌道に乗ったら、また、次のM&Aを考えるようになるかもしれません。
私たち調剤薬局は、地域の医療を守るために欠かせない存在です。ですが、今般M&Aをした先のように、続けたくても後継者がいないため閉めざるをえない調剤薬局も、全国にはたくさんあると思います。今回、私たちが行ったケースが、同じような悩みを抱える方々の参考になれば幸いです。
私たちがラッキーだったのは、お付き合いのあったミカタさんが、M&Aの対応が可能な部署を持っていたことです。おそらく、同じようなことができる会計事務所は、あまりないと思います。私たちと同じ立場になったとしても、誰に相談していいのか、ほとんどの方がわからないだろうと思うんです。ですから、ミカタさんには「M&Aに関する業務も対応できる」と、どんどんアピールして欲しいですね。そうすれば、どうしたら良いか悩んでいる私のような方も、助かるんじゃないかと思います。
ミカタグループに対して、メッセージがあればお教えください。
窪田様:
今回のM&Aに関しては、本当に感謝しかありません。担当者さんが通常東京が勤務地なので、それほど頻繁にお会いしてはいないのですが、ずっとそばにいてくれたような印象があります。
何かあれば、ショートメールで相談して、返事をもらって、まるで付き合い始めのカップルみたいに、頻繁に連絡を取り合っていました(笑)。
M&Aについてはひと段落ついたので、以前ほど頻繁に連絡を取ることはなくなるとは思いますが、店舗が増えたことで、新しく生まれる悩みもあるはずなので、その時はまたメッセージをさせてください。
MIKATAグループ担当コンサルタントより
森田
今回のM&Aは、窪田様にとって本当に大きなご決断だったと思います。今後の高齢化社会を考えると、医療機関が減ることは、地域にとっても大きなダメージとなります。社会的意義という観点からも、ご英断だったと感じています。
初めての経験で、いろいろと大変なご苦労やお悩みがあったかと思うのですが、窪田様はいつも前向きで明るくて、私たちを「この方のために、なんとしても成功させたい」という気持ちにさせていただきました。
店舗が2倍になったことは、くぼたファーマシー様の業務が2倍になると同時に、私たちが承る業務も2倍になります。まずは新しい形が軌道に乗るまで、精一杯サポートさせていただきます。それができれば、「地域の医療を守るためのM&A」のモデルが確立して、それを全国に広げられるようにこれからも私たちも全力でサポートしていきます。