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2023/06/16

土地等の不動産の「相続」は大変!相続対策は早くからコツコツ対策がおススメ!

土地等の不動産の「相続」は大変!相続対策は早くからコツコツ対策がおススメ!

土地を相続するのは大変です。
何が大変かというと相続税の負担が大変の一言につきます。
土地を相続するということは土地等の不動産を現物で相続するということになります。 この不動産に対して相続税がかかるわけですが、その相続税を納付するためのお金が必要となり、大変な思いをするわけです。
不動産の相続税はどのようにして計算されるのでしょうか。
相続税は財産の評価額に対して税率をかけて計算されますが、不動産の評価額ってどうやって決まるのか。売買事例等をもとにした時価なの?不動産鑑定士の評価額?固定資産税評価額なの?不動産には評価額がたくさんあります。目的、用途に応じて利用すべき評価方法が異なります。相続するなら正しく知っておくべきでしょう。

(1)土地の相続税評価額はこう決まる

日本の相続税では土地の評価額を計算するにあたって、国が決めたルールがあります。土地に対して相続税率をかけるベースとなる金額を「相続税評価額」といいます。この相続税評価額は時価でも固定資産税評価額でもありません。相続税評価額の求め方としては「路線価評価」と「倍率評価」があります。この2つの評価は選ぶものでは無くどちらかが使われることになります。土地は、その所在地によって路線価が「ある」地域と「ない」地域に分かれます。路線価がある土地は路線価評価をすることになります。路線価とは、評価する土地が面する道路毎に1㎡あたりの金額が国によって定められており、その定められた金額のことをいいます。路線価評価とはその路線価に土地の面積をかけて計算する方法です。この路線価は国税庁のHPで確認することができますのでやり方を覚えればいつでも計算することが出来ます。路線価がない地域については倍率評価をします。倍率評価とは、固定資産税評価額に宅地なら宅地の倍率を、田なら田の倍率をかけて計算する方法です。路線価がない地域とは農地や山林などが広がる地方都市に多くみられます。この倍率も国税庁のHPで確認することが出来ます。

【国税庁HP】  https://www.rosenka.nta.go.jp/

路線価評価はこれだけでは不十分です。土地はその形状や道路付けによって価値が一定ではありませんので、その土地固有の事情を考慮した評価を行う必要があります。複数の道路に面した土地は利便性も高くなることにより、一つの道路に面した土地よりも価値が高くなり相続税評価額も高くなります。角地も高くなります。道路に面していない土地、間口が狭い土地、奥行きがとても長い土地(うなぎの寝床とよく言われます)、三角形の土地、凸凹した土地などは評価が下がります。地積規模の大きな宅地として三大都市圏においては500㎡以上の土地は評価が大きく下がります。それぞれの土地の事情を考慮して土地の相続税評価額は決まることになります。

(2)利用状況によって評価額が変わる

土地の評価額のベースが決まった上で、その土地の利用状況によって評価額が決まります。
未利用の土地、自宅の土地、駐車場用地などは「自用地」として路線価、倍率方式で計算した土地の評価額が相続税評価額となります。
一方、他人に建物を建てる目的で貸している(他人が借地権を持っている)土地は「貸地」として借地権相当分が控除されて評価額が決まります。借地権相当分は地域によって異なりますが、50%~90%となり、都心にいくほど高くなります。定期借地権は借地権ではあるものの、土地を利用できる期間が決まっていますので普通借地権と比べるとそれほどの価値はなく、土地の評価額から借地権相当分としてはあまり控除されません。
土地に家屋を建てて、家屋を貸している場合は「貸家建付地」として、借地権割合に貸家割合の30%を乗じた分の価額が土地の評価額から控除されます。
自分で使っている土地や建物が建っていない土地は路線価、倍率方式により評価をして、他人の権利が発生している土地は、他人の権利分を控除して評価するということです。
この他、利用状況ではありませんが、土壌汚染により通常利用するには土壌汚染を除去する必要がある土地、ため池になっていて土地として利用するには土盛等の費用がかかる土地についても評価を下げて、相続税負担について不満が出にくいように考慮されています。
土地は一つとして同じものはありませんので、その土地固有の事情を踏まえて評価が下がるポイントを押さえて評価することが相続税負担を下げることにつながります。

(3)土地の利用、土地の契約形態によって相続税負担を変えられる

土地の相続税評価額は利用状況によって異なります。利用状況を変えることによって相続税評価額を下げることが可能になる場合があります。 例えば、保有している土地に親族が建物を建てている場合に、地代を取らない「使用貸借」となれば自用地評価になり相続税評価額は下がりません。この場合、地代を収受する「賃貸借」に契約を変更すると貸宅地評価となり、相続税評価額を下げることができます。 何も使われていない更地は「自用地評価」になりますが、アパートを建てて賃貸をすれば「貸家建付地」として相続税評価額は下がります。
会社経営をされている方の場合には、個人で保有されている土地を法人で使われていることがよくあるかと思います。この場合に、相続税評価額の減額までを考えて個人と法人間で「地代ありの土地の賃貸借契約」をされていないケースをよく見かけます。

土地の評価は利用状況や契約形態によって異なるという基本を理解していれば現状が適正かどうかの判断ができることになりますので基本は抑えておくべきです。
少し、工夫をするだけで土地の評価額を大きく減額することも可能な場合がありますので具体的なご相談は税理士等の専門家へご相談ください。

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