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2023/11/22

【税務調査よもやま話】その3

【税務調査よもやま話】その3

『調査通知(事前通知)前に修正申告すれば、加算税が課されない??』

(1)帳面に計上していない売上

『先生(税理士)、実は帳面に計上していない売上があるんです…。』
『どーしたら、いいですか~。』
税務署から調査連絡があり、社長と日程調整をした時のお話です。

社長は、過去数年間に渡り売上金額の一部を計上していないと告白しました。
月20~30万円、年間300万円からの売上金額が計上されていません。
税務調査により調査官から売上漏れを指摘されれば、本税は致し方ありませんが、重加算税、延滞税が課されて多額な負担になります。

(2)修正申告書の提出

結論からお話ししますと、調査通知(事前通知)前に自主的に修正申告書の提出を行って加算税が課されなかったというものです。 説明します。まずは税務調査の流れです。

  1. 税務署が、納税者へ税務調査の実施・調査日程の調整を連絡
  2. 納税者が、税務署へ調査に対応できる日程を連絡
  3. 税務署が、調査通知(事前通知)を通知(電話口頭)
  4. 税務署が、実地調査を開始
  5. ・・・

今回は調査通知前の修正申告書の提出にフォーカスしていますので、5.以下の流れは省略します。

上記3の調査通知(事前通知)前に提出された修正申告には、過少申告加算税が課されない取り扱いになっています(国税通則法§65①、⑥)。また、過少申告加算税が課されないということは、売上計上を漏らした行為に不正行為(重加算税対象)があったとしても、重加算税は過少申告加算税に代えて課税するものなので、これも課されないということになります(同法§68①)。
加えて、延滞税の計算方法も変わってきます。重加算税対象になると延滞税の計算期間に除算期間(免除期間)がなくなり、法定申告期限から追徴税額の納付日までの全期間日数が計算の対象となります。7年間遡及されると最大365日×7年=2,555日で計算されます。
今回のケースでは、除算期間を適用した計算が行われるので最大365日で計算されます。

(3)修正申告書提出のポイント

ポイントは、「調査通知(事前通知)の前。前に修正申告を提出です。」

では、「調査通知(事前通知)」とは何でしょうか。
「事前通知」は、その通知事項が法定されています(国税通則法§74の9①)。

<事前通知の通知事項>
①調査開始日時、②調査場所、③調査目的、④対象税目、⑤対象期間、⑥対象帳簿書類、⑦その他事項...をいいます。
なお、税務署は、「3.の事前通知」を行うときには、必ず『これから法令に基づく「事前通知」を行います。』と宣言しています。
「1.の日程調整の連絡」と「3.の事前通知」は別物なのです。この事前通知の有無により加算税の課税の有無が決定されます。したがって、「事前通知」が何時されたのかを正確に把握しておくことが大切です。

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 ✓ 当たり前のことですが、不正経理(売上除外、架空経費計上など)は行わない。
  ⇒“バレ元”ではありません。重加算税対象になると本税額と同等額の加算税、延滞税を負担することになります。約2倍の税負担になります。

 ✓ 今回紹介した取り扱いは、平成28年度の税制改正により見直しがされたもので、納税者の自発的な適正申告(修正申告)を促すためのものと解釈ができます。
  ⇒税務調査にかかわらずに、申告内容に誤りを認めた場合には一日でも早く適正申告を行うことが大切です。

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