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2024/07/02

絶対知っておきたい! キャッシュフロー計算書とは?

絶対知っておきたい! キャッシュフロー計算書とは?

法人経営をされている中で、会計事務所から提供される決算書・申告書を基に銀行に融資依頼をするケースがあると思いますが、銀行の担当者から「キャッシュフロー計算書はありますか?」といわれることはありませんか?キャッシュフロー計算書の必要性と見方を確認していきましょう。

(1)キャッシュフロー計算書とは

キャッシュフロー計算書は決算書を基に3視点から作成します。




では、それぞれの役割について説明していきます。

(2)営業活動に関するキャッシュフロー

まず1つ目は「営業活動に関するキャッシュフロー」です。

営業活動に関するキャッシュフローは、「営業活動」いわゆる 会社の経営によりいくら資金を稼いだかを表します。
このキャッシュフローの中にも2つの方法があるので、ご紹介します。

  1. 直接法
    ⇒営業活動で得たキャッシュフローを計算する際に、収入と支出の総額を把握して作成します。
  2. 間接法
    ⇒損益計算書の税引前当期純利益から減価償却費(資金を支出しない費用)を加算し、棚卸や債権・債務の期首と期末の差額を調整して作成します。

経理を担当されている方ならケースとして出てくる場合のケースをご紹介いたします。
損益計算書上では黒字になっていますが、営業活動によるキャッシュフローがマイナスになってしまうケースがあります。
原因は「在庫の増加」「債権の増加」「債務の減少」等が主な原因の場合が多いです。勘定科目で「商品」「売掛金」「買掛金」が期首より増加・減少しているかどうかです。
在庫は会社の「資金」が「モノ」に変わっただけです。キャッシュフロー計算書は会社の資金の増減理由を明確にするので、在庫が増える=資金が減るということです。
また、期末在庫が増えると、損益計算書の原価を減らす効果がありますので、損益計算書は黒字になります。(毎月概算で構いませんので在庫を計算し適正な原価を計算していくことが重要です)
なお、売掛金の増加は、売上が増加した場合と売り上げた資金が回収されていない場合等がいえます。取引先に役務の提供や資産の譲渡等を行った場合、仕訳では「借方 売掛金 / 貸方 売上」と計上し、損益計算書では売上高が計上されていますので会社の利益は増え、通常通りに売掛資金回収ができれば問題はありませんが、もし売掛金の回収サイトが長引いたり、取引先の経営状況等によりが通常通りに回収できない場合は資金が増えていきません。

さらに、買掛金の減少は、仕入れ代金を通常サイクルよりも早めに支払ったり、現金払いに変更した場合に資金が減少します。



(3)投資活動に関するキャッシュフロー

2つ目は、「投資活動に関するキャッシュフロー」です。
この投資活動に関するキャッシュフローは、会社の資産(建物や機械等)を購入・売却で得た資金や、投資有価証券を購入・売却で得た資金の増減等を表しています。
先行投資で工場に機械を導入した場合などに、投資活動に関するキャッシュフローはマイナスになります。

(4)財務活動によるキャッシュフロー

最後は、「財務活動によるキャッシュフロー」です。
この財務活動に関するキャッシュフローは、金融機関等からの借入額や返済額を表しています。新規に借り入れを起こした場合、財務活動によるキャッシュフローはプラスになります。

以上、ご紹介した3つのキャッシュフロー計算書ですが、事業フェーズにおいてどのような形の動きがあるのかを事例としてご紹介します

(5)事例紹介

  1. 事例その1
    積極的に会社の規模を大きくしている勢いがあるかも・・・



    営業で得た資金で会社の設備を充実しているが、設備金額が営業で得た資金以上だったので金融機関から資金を借りた等々
  2. 事例その2
    会社として基盤ができつつあり堅実性があるかも・・・!



    営業で得た資金で得た範囲で会社の設備を充実させ、返済も計画通りに行っている等々
  3. 事例その3
    会社として危ない領域にきているかも・・・!



    営業がうまくいかずに、資金繰りが悪化。そのため会社の設備や資産を売却し資金化を図ったが、それでも資金が足らず金融機関から新規借り入れを起こした等々

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貸借対照表・損益計算書はあくまでも会社の財産・債務の増減の結果表や会社の売上等による利益の成績表を表しています。これらの書類にキャッシュフロー計算書を加えることで、資金の使途や増減がわかるので、さらに自社の現状を把握し、先取ができる経営の必要武器になると思いますので、自社のキャッシュフロー計算書も必ず作成し、財務分析の一つとして役立てていくことが必須となってきます!


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