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2023/01/17

中小企業だからこそ求められる!”就業規則の必要性”とは!?

中小企業だからこそ求められる!”就業規則の必要性”とは!?

就業規則の作成・届出義務が生じるのは、従業員が常時10人以上の事業場です。この話をすると、「当社は10人未満だから作成する必要は無い」と回答する方がいらっしゃいますが、本当にそうでしょうか?法的義務は無くとも、様々なリスクが生じる可能性があります。今回は、就業規則の必要性について、まとめてみました。

中小企業だからこそ求められる!”就業規則の必要性”とは!?

1.就業規則とは?

就業規則は、従業員の雇用について、会社・従業員双方が遵守すべきルールを取り決めた、言わば会社の憲法です。就業規則は、法律上明記すべき規定だけでなく、トラブル回避、起きてしまったトラブルの再発防止や世の流れとともに変化する雇用環境への対応、さらには企業理念、企業の存在意義、企業文化の定義を定着させるためのツールでもあります。

就業規則が無くても、従業員は労働基準法を始め、様々な法律により守られる一方で、従業員から会社を守る法律はありません。なぜならば、絶対的な権力のある会社から従業員を保護するために作られたのが労働基準法だからです。会社は、きちんとした就業規則を作成し、運用することで、労務トラブルのリスクを減らすことができます。

就業規則には、リスク回避や生産性向上に繋がるもの、企業理念など会社の思いを伝えるなど、作り方次第で様々な効果が期待できます。たかが就業規則、されど就業規則。今一度、自社の就業規則を見直してみませんか?

2.就業規則を作成するメリット・デメリット

就業規則を作成するメリット・デメリットは、次の表のとおりです。

就業規則を作成するメリット・デメリット


就業規則が無いと、懲戒解雇をすることができません。これは、問題社員を野放しにするだけでなく、他の社員のモチベーションを下げ、優秀な社員の流出を招きます。人的資本経営が注目される中、優秀な人材の確保は喫緊の課題です。きちんとした就業規則を作成し、入社してくれた社員が安心して働けるように、就業規則を整備しておきましょう。

3.就業規則は周知させないと意味がない

どんなに素晴らしい就業規則を作成しても、周知させなければ意味がありません。労働基準監督署へ届け出ても、周知させなければ無効です。例えば、服務規定や懲戒規定を知らされずに行動した結果、「就業規則違反だから懲戒解雇します」は、とても酷な話です。国の法律が「知らなかった」が通用しないのは、法律がきちんと公表されているからです。後出しジャンケンにならないように、留意しましょう。

どんなに素晴らしい就業規則を作成しても、周知させなければ意味がありません。労働基準監督署へ届け出ても、周知させなければ無効です。例えば、服務規定や懲戒規定を知らされずに行動した結果、「就業規則違反だから懲戒解雇します」は、とても酷な話です。国の法律が「知らなかった」が通用しないのは、法律がきちんと公表されているからです。後出しジャンケンにならないように、留意しましょう。

就業規則の注意点


就業規則を定め、従業員に義務を課すからには、会社も就業規則に則った運用が必要です。就業規則は、単に法律を遵守させるものではありません。会社と従業員との約束事です。年次有給休暇一つをとっても、請求されたらいつでも(事後でも)与えなければならないものではありません。頑張る社員の待遇を上げ、怠ける社員の待遇を下げるのは当然のことです。しかしながら、これらもルールができて、初めて公平に運用ができるのです。

まとめ

 

最近の労使トラブルは、弁護士の関与率が増えています。就業規則や労働条件通知書に不備があったり、備え付けていなかったりすると、会社は対抗することができず、多大な経済的コストを要したり、対応による人的コストがかかります。就業規則は労務のプロに任せ、社内に浸透させておくのが、一番コストを抑えられます。

今後さらに、雇用環境は目まぐるしく変化していきます。経済産業省が提唱する未来人材ビジョンによると、将来は「問題発見力」、「的確な予測」、「革新性」が一層求められ、これからの日本は人的資本経営を推進することで、働き手と組織の関係を、閉鎖的な関係から、「選び、選ばれる」関係へと変化することが示されています。

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