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キャッシュフロー計算書は会社のステージに応じて使い分けよう!会社経営においてキャッシュフロー計算書が重要である理由
キャッシュフロー計算書は会社のステージに応じて使い分けよう!
会社経営においてキャッシュフロー計算書が重要である理由
キャッシュフロー計算書とは会社の収入と支出(キャッシュフロー)を明確にするための書類です。キャッシュフロー計算書を作成すると、その会社の資金繰りがどのような状態にあり、どのような対応を行うべきかが明確になります。
なお、キャッシュフロー計算書は、貸借対照表や損益計算書などとは異なり上場企業など一定の企業以外は作成義務がありません。そのため、特に中小企業ではキャッシュフロー計算書を作成しない傾向があるようです。
しかし、健全な経営を実現する手段として、キャッシュフロー計算書の作成は非常に有効な手段です。
1.会社のステージごとに変わるキャッシュフロー計算書の種類
企業を経営するためには資金繰りが必須です。である以上、資金繰りの状況をしっかり把握するためにも、キャッシュフロー計算書の作成は重要です。現在、インターネット上にはキャッシュフロー計算書の雛形がたくさんアップされています。これらを利用すれば、一応はキャッシュフロー計算書を作成できます。しかし、その雛形が会社のステージに沿ったものでなければ、作成しても効果は薄くなります。
会社のステージには、
- 収入と支出のサイクルが安定している「安定期」
- 売上が上がらず資金繰りが厳しい「停滞・下降期」
- 成長が順調で更なる事業の拡大成長を目指す「成長期(起業時)」
の3つがあります。そして、キャッシュフロー計算書には「過去キャッシュフロー計算書」と「将来キャッシュフロー計算書」の2種類があります。
過去キャッシュフローとは、月々の締めのタイミングで直近の経過した期間のキャッシュフローを細かくまとめたもので、一般的に言われるキャッシュフロー計算書がこれに該当します。
将来キャッシュフローとは、将来における収入と支出を明確にして、資金のショートや予測外の減少を防ぐことを目的としたものです。また、将来キャッシュフロー計算書を目的に沿って区別すると正式な名称ではありませんが守備型と攻撃型の2つに分類されます。
| 会社のステージ | 状況 | 計算書の種類 |
|---|---|---|
| ①安定期 | 収入と支出のサイクルが安定している | 過去キャッシュフロー計算書 |
| ②停滞・下降期 | 売上が低迷していて資金繰りが厳しい | 将来キャッシュフロー(守備型) |
| ③成長期(起業時) | 事業の拡大成長(企業)を目指す | 将来キャッシュフロー(攻撃型) |
2.安定期におけるキャッシュフロー計算書
会社の経営が安定しており現状を維持しようと考えている時期は、過去キャッシュフロー計算書が適しています。このステージにある企業は、月々のキャッシュフローに大きな変化はないため、過去のキャッシュフローを把握しておけば、先々の状況もある程度は予想できるので、キャッシュフロー計算書も一般的な雛形に沿った内容で問題ありません。
この際の最も簡単なキャッシュフローの把握方法としては、損益計算書の年間推移表の最終利益に、損益には反映されないキャッシュの動き(借入・借入返済・積立など)を加減算する方法です。厳密には売上の計上月と入金月はずれますし、原価や経費の計上月と支払月はずれることが多いですが、1ヵ月~2ヵ月程度のずれとなるため、月ごとのシビアな資金判断が必要ではない安定期においては手軽にキャッシュフローの動きを把握できる方法といえます。
3.停滞・下降期におけるキャッシュフロー計算書
事業が停滞していて資金繰りが厳しい状況にある時期は、将来キャッシュフロー計算書が適しています。なお、この場合の将来キャッシュフロー計算書は、来週の月曜日にいくら入金され、火曜日にいくら支払いが発生して、今月末にはどれくらいの資金が残り、来月にはどれだけのキャッシュが必要なのかなど、短期の将来におけるキャッシュフローの詳細を見る守備型の計算書となります。
資金繰りが厳しい状況では、入出金がほんの数日ずれるだけでキャッシュがショートしてしまい、事業が立ち行かなくなることがあります。そのような事態を避けるために詳細なキャッシュフロー計算書を作成して、状況を把握する必要があります。また、毎日しっかりと計算書を作成していけば、キャッシュフローに対する意識も高まります。
ただし、このようなステージにある企業にとって最優先事項は「稼ぐ」ことです。キャッシュフロー計算書の作成にはそれなりの手間がかかるので、こちらに注力しすぎて稼ぐことがおろそかになると本末転倒になります。
必ずしも100点を目指す必要はありません。Excelなどで入手金を計算するなど50点程度のシンプルなものでも構わないので、定期的に計算書を作成更新して状況を把握することが重要となります。
4.成長期(起業時)におけるキャッシュフロー計算書
事業が順調に成長して拡大を目指す時期、もしくは起業を目指す時期には、設備投資や原材料を仕入れるために多くの資金が必要です。そして資金を融資してもらうために必要なものが、事業計画書と融資を返済する余力があることを証明するための将来キャッシュフロー計算書です。なお、この場合の将来キャッシュフロー計算書は、停滞・下降期のような短期間のものではなく、融資の返済も見据えた長期間にわたるものとなります。
このステージにおけるキャッシュフロー計算書の目的は、自身のキャッシュフローを把握すると同時に、融資先を説得するための材料でもあるので、融資された資金を何に使用するのか、それによってどれだけの売り上げが見込めるのか、借り入れした資金をどのように返済していくのか、などがわかる内容でなければなりません。他と比べて作成の難易度が上がるので、外部に専門家に依頼するケースもあります。
5.ステージに応じたキャッシュフロー計算書を活用しよう
ここまで解説したように、キャッシュフロー計算書は会社のステージに応じて有効となる種類が異なります。大きく成長したいステージまたは起業のステージでは融資が必要なので、融資に対するバックが期待できる対する返済力があることを融資先に示さなければなりません。
その際、しっかりとした計画書とキャッシュフロー計算書があれば説得力が増します。定期的にキャッシュフロー計算書を作成していれば、キャッシュフローを意識した経営をしているという信頼を得ることもできるでしょう。(なお、起業時はキャッシュフローについての実績がないため、事業計画書の内容などでそれを補うことになります。)
一方で、経営が厳しい企業も融資が必要なステージにあると言えます。ただ、当然ではありますが成長ステージにある企業と比べると、融資を得られる可能性は低くなります。
しかし、日々キャッシュフローを意識して、資金をショートさせないように気を配っている企業だという理解が得られれば、融資が得られる可能性は増します。
前述しましたが、特に日本の中小企業は、こまめにキャッシュフロー計算書を作成しているケースが少ないので、作成しているというだけでも好印象を与えられます。
このように、キャッシュフロー計算書は、健全な会社経営を行うために、非常に重要な存在です。もし、まだ作成していないのであれば、最初は簡単なものでもいいので、是非チャレンジしてみてください。

