- HOME
- 法務・税務・労務など会社経営に関するお役立ち情報
- ビジネス
- 法律関係
- 弁護士・司法書士・税理士・行政書士、中小企業オーナーが知っておきたい境界線
弁護士・司法書士・税理士・行政書士、中小企業オーナーが知っておきたい境界線
弁護士・司法書士・税理士・行政書士、中小企業オーナーが知っておきたい境界線
1. なぜ「違いがわかりにくい」のか
弁護士・司法書士・税理士・行政書士は、いずれも「業務独占資格」です。つまり、資格を持たない人がお金をもらってその業務を行うと、法律違反になります。しかし、それぞれの業務範囲には重なる部分もあり、「この相談はどの専門家にすべきか」が直感的にわかりにくいことがあります。
わかりやすい原則を先にお伝えすると、弁護士は資格として他の3つの業務もすべて行うことができます(一定の手続きは必要)。一方、司法書士・税理士・行政書士は、それぞれ決められた範囲の業務しか行えません。これを踏まえて、それぞれの役割を見ていきましょう。
2. 4つの専門家の役割を一覧で整理
3. 弁護士とは何か
弁護士は、法律事務全般を取り扱う専門家です。契約書の作成・チェック、法律相談、取引先とのトラブルにおける交渉代理、そして訴訟における代理人としての活動まで、幅広く対応できます。
最大の特徴は、紛争(争いのある事案)において、依頼者の代理人として交渉や訴訟を行える点です。弁護士以外の者が報酬を得てこうした法律事務を行うことは、弁護士法によって原則禁止されています(いわゆる「非弁行為」)。取引先との契約トラブルや、株主間の争い、従業員とのトラブルなど、「相手と対立している」場面では、弁護士が窓口になります。
なお、弁護士は資格として司法書士・行政書士・税理士の業務も行えることになっています(税理士業務を行う場合は税理士登録や国税局長への通知など、別途の手続きが必要です)。
4. 司法書士とは何か
司法書士は、登記・供託の専門家です。会社を設立するときの設立登記、役員が変わったときの役員変更登記、本店を移転したときの本店移転登記など、法務局に対する手続きを専門に扱います。不動産の売買や相続の際の不動産登記も司法書士の業務です。
また、一定の研修・試験に合格した「認定司法書士」は、140万円以下の金額の範囲で、簡易裁判所における訴訟の代理を行うことができます。ただし、この範囲を超える訴訟や、簡易裁判所以外での代理はできません。
5. 税理士とは何か
税理士は、税務の専門家です。税理士法上、「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」の3つが税理士の専属業務とされており、税理士以外の者がこれらを行うことは原則できません。法人税・所得税・消費税・相続税などの税額計算や、確定申告・法人税申告のサポート、税務調査への対応などを行います。
多くの税理士は、税務だけでなく会計業務(決算書の作成支援や経理のアドバイス)も併せて行っており、中小企業にとっては日常的に最も接点の多い専門家になります。
6. 行政書士とは何か
行政書士は、官公署(役所)に提出する書類の作成・提出代理を専門とする専門家です。建設業許可、飲食店営業許可、外国人の在留資格に関する申請、遺言書や遺産分割協議書の作成など、幅広い許認可・書類作成業務を扱います。
行政書士の業務範囲には重要な制限があります。紛争性のある事案(争いがある場面)には関与できません。 例えば、相続人同士で意見が対立している遺産分割は、行政書士が代理で交渉することはできず、弁護士の領域になります。また、登記の代理(司法書士の業務)や、税務書類の作成(税理士の業務)も行えません。
7. 一つひとつ探さなくてもいい-「総合士業グループ」という選択肢
これまで見てきたように、相談すべき専門家は会社の状況によって異なります。しかし、事業承継やM&Aのように、税務・登記・契約・場合によっては紛争対応まで、複数の分野が同時に関わる場面も少なくありません。そのたびに専門家を個別に探して依頼するのは、経営者にとって手間がかかります。
近年は、弁護士・司法書士・税理士・行政書士といった複数の資格者を同一グループ内に抱え、ワンストップで対応する「総合士業グループ」が増えています。グループ内で各資格者があらかじめ連携しているため、案件の背景や過去の経緯を毎回説明し直す必要がなく、一貫した対応を受けやすいというメリットがあります。
もちろん、シンプルな相談であれば個別の専門家に直接依頼しても問題ありません。しかし、複数の分野にまたがる相談や、「まず誰に相談すればいいかわからない」という場合には、こうした総合体制のグループにまとめて相談することも、有効な選択肢の一つです。
ミカタグループも、税理士法人を中心に、司法書士・行政書士・弁護士と連携した体制を整えており、複数の分野にまたがるご相談を一括で受け付けています。個別に専門家を探す手間を省きたい場合は、こうした窓口をご活用いただくのも一つの方法です。
8. 場面別にみる「誰に相談すべきか」
9. 中小企業オーナーが注意したいポイント
弁護士・司法書士・税理士・行政書士は、いずれも専門的な資格を持つ「業務独占資格」ですが、担っている役割はそれぞれ異なります。大きな目安としては、登記は司法書士、税務は税理士、許認可などの書類作成は行政書士、そして争いのある交渉・訴訟は弁護士、と整理できます。
複数の専門家が関わる場面(会社設立、事業承継、M&Aなど)では、誰に何を相談すべきかをあらかじめ整理しておくことで、手続きがスムーズに進みます。
どの専門家に相談すべきか迷う場合は、まずは顧問税理士にご相談ください。

